天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「シオン様は、いつだってふたりのために生きてきたじゃない!! どうしてそれに気がつかないの!」

「だったら、なぜエリカを庇わない!」

 ローレンスが言い返す。

 私はローレンスに答えた。

「原因を隠すことがエリカのためになると思わないからだ。私は、エリカに正しく大聖女になってほしいと願っている。そのためには、原因に向き合う必要があるだろう。それに、エリカの神聖力が清らかになるまで、ずっと誰かに罪を着せ続けるつもりなのか? ルピナがいなくなったら次は誰だ。私か?」

 エリカはそれを聞き、その場に膝をついた。

「たった一度、たった一度だけなんです。聖なる花園の水盆で花占いを――」

 エリカの言葉に神官たちがザワついた。

 大聖女は、花占いで未来を予測する。しかし、大聖女自身の未来を占うことは禁忌なのだ。特に聖なる花園の水盆は聖遺物でもあり、その効果は絶大だからこそ、反動も大きい。

(エリカにも教えてあったはずだ)

 神官たちはエリカを責め立てた。