天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「たしかに遅れた件に関しては申し訳ないと思っている。だが、その謝罪として上級魔導師の杖を用意した」

「私たち一緒に選んだんです!」

 エリカは私に笑顔を向けた。

「それはありがたいが――」

 言いかける私に、ローレンスは長方形の箱を開け、押しつけた。中には新しい魔法の杖が入っている。

 クンツァイトとヘリオドールがあしらわれた豪華な魔法の杖である。

 魔法の杖は、その魔導師の階級によって装飾の可否が決まっていて、下級魔導師の私は装飾のついた杖を使うことは禁じられていた。中級魔導師は一種類、上級魔導師は二種類、最上級魔導師は三種類の宝石を使うことが認められる。

 ピンクと黄色の宝石が交互に柄を一周している杖は、私が持つには少々子供っぽいデザインに思える。