「シオン・セレスタイトをお連れしました」
先導する侍従にしたがい、私は謁見の間に入った。多くの目がこちらを向く。
正面の玉座には国王陛下、その隣にはローレンス殿下とエリカが立っている。
右側には神殿の神官たちと、魔術部門の魔導師、左側にはセレスタイト公爵とルピナの兄、そしてルピナが立っていた。
私は、ルピナにより誘拐監禁された被害者として扱われているのだ。
「シオン! 大丈夫か?」
ローレンス殿下とエリカが駆け寄りってくる。
「シオン先生! ずっとお会いしたかったです……!」
エリカは涙目で見上げてきた。潤んだ桜色の瞳は幼気で、守りたいと、幸せにしてやりたいと思わせる。しかし、今は違う。彼女のせいでルピナが追い詰められているかと思うと、その無邪気さがかんに障った。
無言な私の手を取るエリカ。
ローレンス殿下はいつものように肩を叩く。
こんなふうに私に触れるのは、以前は彼らだけだった。だから、私は彼らだけは失いたくなかった。誰よりも幸せになってほしかった。
先導する侍従にしたがい、私は謁見の間に入った。多くの目がこちらを向く。
正面の玉座には国王陛下、その隣にはローレンス殿下とエリカが立っている。
右側には神殿の神官たちと、魔術部門の魔導師、左側にはセレスタイト公爵とルピナの兄、そしてルピナが立っていた。
私は、ルピナにより誘拐監禁された被害者として扱われているのだ。
「シオン! 大丈夫か?」
ローレンス殿下とエリカが駆け寄りってくる。
「シオン先生! ずっとお会いしたかったです……!」
エリカは涙目で見上げてきた。潤んだ桜色の瞳は幼気で、守りたいと、幸せにしてやりたいと思わせる。しかし、今は違う。彼女のせいでルピナが追い詰められているかと思うと、その無邪気さがかんに障った。
無言な私の手を取るエリカ。
ローレンス殿下はいつものように肩を叩く。
こんなふうに私に触れるのは、以前は彼らだけだった。だから、私は彼らだけは失いたくなかった。誰よりも幸せになってほしかった。



