天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


(これは罰なの!? 私は神にまで見放されたの?)

 シオン先生は私のもとに戻らない。聖女見習いの仲間たちも去っていった。ローレンス殿下も、もしかしたら――。

 ガシャンと門が開かれる音がして私は悲鳴をあげた。

「ひぃっ!」

「大丈夫か? エリカ! 神殿のほうに雷が見えたから」

 息を切らしたローレンス殿下の声に、恐る恐る振り返る。彼は、ずぶ濡れで跪く私を見て言葉を失った。

 花占いの水盆からは水が涸れ、周囲の聖花は黒く爛れている。

「……エリカ……なにがあったんだ?」

「シオン先生を助け出す方法を占ったらこんなことに……」

「……! なんてことを! 私利私欲の占いは禁忌だ――」

「でも、シオン先生を助け出すのは私利私欲じゃないですよね? 未来の国のためですよね?」

 私が確認すると、ローレンス殿下は困ったようにため息をついた。

「……え……? ちが、うの? わたし、みんなのためを思って……」

 私は涙が溢れ止まらない。