天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「っ!」

 一見して凶事だとわかる結果に戦いた瞬間、水盆の水が噴水のように吹き上がり周囲に水しぶきをまき散らした。

 水を受けた聖花はことごとく、黒く爛れた。

「なんてこと……!」

 あまりの出来事に私はゾッとした。

 これでは、花園の神気が減り、王国の瘴気が抑えられない。神殿に納める花も減り、ポーションも作れなくなる。

「……私が勝手に使ったから……? でも、私利私欲じゃないわ! みんなのため、シオン先生のためなのに……どうして?」

 私は涙を流してその場に跪いた。

 禁忌を犯した対価の大きさに怯え震える。神気が大きく損なわれ、このままでは王国に凶事が訪れるだろう。

「どうしよう……どうしたら……」

 みるみるうちに頭上が陰ってくる。

 空を見上げると黒くて大きな雲が湧き上がっていた。

 稲妻が走り、雷鳴がとどろく。

 王宮神殿に雷が落ちたのだ。

「!!」

 ザッと雨が降り出して、私はその場に頭を抱えてうずくまった。