天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


(そうよ、シオン先生を助けるためだもの。大丈夫。私利私欲じゃないわ。王国の未来を悪女から守るためだもの。正義のため! みんなのためよ!)

 私は奮起して聖花を一本摘み、水盆の前に立った。

(これは聖女としてすべき義務だわ!!)

 そして、神聖力を水盆の水に注ぐ。

(聖なる花よ。偉大なる神よ)

 水盆の水がピンク色の光を放ちユラユラと揺れだした。

 ゴクリ、私は息を呑む。

 そして、ピンク色の光に聖花をかざした。

(シオン先生を助け出す方法を教えてください――)

 花びらをちぎり水盆に入れ、真摯に祈る。

 すると、水盆の中の花びらが神託を伝えるべく、動き出した。半透明な花びらが、真っ黒に染まり渦を描くように禍々しく回転する。