(ローはもう、シオン様を助け出すつもりがない気がするわ。そうなれば、シオン先生は捕らわれたまま。私は相談すらできなくなってしまう。……そうしたら、私はどうしたらいいの? 助けて……。シオン先生……)
私はうずくまって地面に手をつく。
温かく柔らかい地面は、冷たい王宮の床とは対照的だ。ピンク色の花びらがフワリと落ち、その上に黄色の花びらが重なる。
私はそれを見て天啓を受けた。
(そうよ。花占い! 私には花占いがある! ローがなにもしてくれないなら、私がシオン先生を取り戻してみせる!!)
花占いの能力には自信がある。
聖なる花園には、この国で一番精度が高い花占い用の水盆(すいぼん)があるのだ。この水盆は国家行事でのみ使われるもので、私利私欲な使用は許されない禁忌だ。
(神殿の許可なく使うことは許されない――)
私は周囲を見回した。いつもどおり誰もいない。私が大聖女になってから、なぜか花園の管理を手伝うものが日に日に減っていき、今は私ひとりでするようになっていたからだ。
(でも、今なら占える……)
ゴクリ、固唾を呑む。



