天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


 私たちは、ローレンス殿下の前にでた。

「よく来たな、シオン。待っていた」

「シオン先生! お会いしたかったです!」

 ローレンス殿下とエリカは、私をあからさまに無視して、シオン様に声をかけた。

 身分の高い者から声をかけてもらえなければ、下の者からは声をかけられない。いつもはマナーなど無視している私だが、さすがに公式の場。シオン様の妻として今回は黙って成り行きを見守ることにした。

(まぁ、別に挨拶なんてどうでもいいし)

 我関せずである。

「このたびは、ご婚約おめでとうございます」

 そうシオン様は苦渋の顔で挨拶をした。

(やっぱり、エリカを見るのは辛かったみたいだわ……)

 私がそう思っていると、シオン様は私の背にソッと触れた。

「我が妻、ルピナです」

 そして、わざと挨拶されなかった私を気遣いあえて紹介してくれたのだ。