天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「まぁ、黒いドレスだなんて不吉だわ」

 眉を顰めるのは老婦人だ。

「でも、目新しくて格好いいわね」

 目を細めるのは若い令嬢だ。

「スタイリッシュでモダンだわ」

「あのイヤリングの黒い宝石はなに? なんて珍しいの? ルピナ様の白い髪が映えて綺麗ね」

 ざわめく人の視線に、私はイヤリングに触れて微笑み返す。

「この宝石は黒水晶というのですわ」

 すると、視線の合った令嬢がホゥとため息を漏らした。

「黒水晶……覚えましたわ!」

「あの、どこで購入できるのですか?」

 若い令嬢たちが集まってきて、老婦人たちは忌々しそうに私を見る。