天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

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 そして、今日はローレンス殿下とエリカの婚約披露パーティーである。

 馬車を降りようとすると、先に降りたシオン様が手を差し伸べてくれる。パーティーのために着飾ったシオン様はいっそう美しい。

(っう、背景にキラキラエフェクトが見える……)

 怯む私を見て、シオン様は不思議な顔をする。

(いかんいかん、不審がられてしまうわ)

 私は優雅にシオン様の手を取った。今日は堂々としなければいけないのだ。

 馬車から降りると、私はシオン様の腕にギュッと縋りついた。

(こんなに接触するのは無礼だとは思うけれど、今日はしかたがないのよ! シオン様を悪意から守るためだもの!)

 断じて触るための言い訳ではない。先日の新大聖女就任のパーティーのように、多くの人々が悪意の目を向けてくることは容易に想像がつくからだ。

(私が守って見せますからね!)

 そう思いシオン様を見上げると、シオン様は顔を真っ赤にして空いた手で額を押さえていた。