「……ルピナ様……うるさい……」
そう呟くと眠そうにフェンリルの腹に顔をこすりつけた。
フェンリルは迷惑そうな目で私を睨む。
私は慌てて口元を押さえた。
「……ごめんなさい」
静かに詫びると、シオン様は苦笑いをしながら立ち上がった。
ユニコーンもフェンリルも名残惜しそうにシオン様に鼻先をつける。
(人慣れしない魔獣たちの心まですっかり掴んでしまうなんてさすがシオン様!!)
感動しつつホッコリもする。
シオン様は静かに私の横に立った。
そして耳元で囁く。きっと、まどろむ子供たちに配慮しているのだろう。



