(なんて尊い光景なの!? ユニコーンって清らかな乙女にしか懐かないんじゃなかったの? ということは、シオン様は実質乙女!?)

 まるで神話の世界を描いた絵画のような神々しさに私は思わず手を合わせた。憂鬱だった気持ちが晴れていく。今日もシオン様の魅力は爆発している。

「なにをしている?」

 突然、シオン様から声をかけられ私はビクリとした。

(まさかこんなに早く気がつかれるとは思わなかったわ)

 冷や汗をかきつつも愛想笑いでシオン様に答える。

「今までは、子供と魔獣たちを同時に庭に出すことなどできなかったので、感謝をしていたところです」

「そうだな。この夢のような光景は神に感謝せざるをえない」

 シオン様は穏やかに笑う。

(シオン様ったら、自分の力に謙虚すぎるわ!! もっと、自分の力を誇ってほしい!!)

「いいえ、 私は神ではなく!! シ・オ・ン・様に感謝しているのです!! この状況を生んだのは紛れもなくシオン様の努力です!!」

 思わず叫び力説すると、子供たちがうっすらと瞼を上げる。