天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「ローレンスよ……。最近のお前の評判は伝わっているか?」

 問われて、唇を噛み俯いた。

「大聖女エリカも王子妃としての資質は欠けると聞いている。王宮神殿での務めも遅刻しがちだとか」

「……まだ、宮廷に不慣れなためでしょう」

「今日もお前と話し込んでいたと聞いている。偶然会ったのか? 意図的なのか? 毎度だと聞くが」

 そう指摘され、オレは拳を握りしめた。

(侍女か侍従が告げ口したんだな。たまの逢瀬くらい見逃せば良いものを。どうせ嫉妬なのだろうが)

 忌々しく思うが、オレには彼らを罰する権限はない。

 無言になるオレを見て、国王陛下は大きくため息をついた。