会議での発言も、管理部署の運営も、すべてシオンのアドバイスを受けていた。邪魔なライバルはシオンが足を引っ張ってくれていた。
しかし、シオンがいなくなってからライバルたちが台頭しはじめ、切れ者だと評判だったオレなのに、最近の評価は「精彩を欠く」だ。
シオンのアドバイスをもとに書いた研究論文も、シオンがいなければその先の研究はできない。そのうえ、研究の盗用を疑われ、多くの知人たちから遠巻きにされ始めていた。
(こんなはずではなかった。大聖女エリカと婚約することで周囲を味方につけ、シオンの協力で邪魔者を追い落とせば、王太子の座も狙えたはずなのに)
シオンがいなくなってから、すべてが狂い始めている。
国王陛下の書斎をノックする。
「ローレンスがまいりました」
名乗ると内側からドアが開かれた。
国王陛下はソファーに腰掛けたまま、視線でオレを座るように促した。
「失礼いたします」
オレは国王陛下の前に腰掛けた。



