天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


(だったら、質問でもしてみればいいじゃない。恥をかくのはそちらのほうよ!)

 そう思いつつ、シオン様の発表を聞く。

 シオン様は、論文を魔導具で白い壁に映し出した。この方法は私がシオン様に提案したもので、魔導具はループス商会で開発した。

 初めて見る発表方法にザワリと会場がどよめく。今までは黒板に模造紙のような紙を貼っていく方式だったからだ。

「この技術はなんだ? 独自魔法か?」

「私たちにまやかしを見せようとしているのでは?」

 混乱する会場に向かって、シオン様は穏やかに、しかし毅然として説明をした。

「今回は投影機という機械を使い発表させていただきます。事前に許可は得ております。興味のある方は、ループス商会にお問い合わせください」

 シオン様の言葉に周囲は納得する。

「魔法ではなく機械なのか」

「事前の許可があるならば問題ないだろう」

 落ち着いた聴衆を相手にシオン様は論文の発表をする。人間界では未発見だった銀竜草の報告と、その効用について説明する姿は自信に満ち溢れていた。