天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

「まぁ! なんてはしたない!!」

「婚約破棄をされ気が触れたのか!」

 貴族たちからは非難の嵐である。

 そこへ、ガシャーンと盛大な音を立て、窓を蹴破って入ってきたのはユニコーンだ。

「ユニコーン!? 存在したのか!」

「清らかな乙女にしか懐かないという伝説の!?」

 ローレンス殿下は顔を明るくし、エリカの肩を抱き寄せた。

「この混乱を治めるため、エリカのもとへ現れてくださったのだ!」

 ローレンス殿下の言葉に、エリカはポッと頬を赤らめた。

「そんな……。私なんか……」

「流石、新大聖女様だ!」

 祝福ムードの中、ユニコーンは私の前で跪いた。

 周囲は意味がわらずポカーンとしている。