天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「あれは、漆黒魔導師様では? 雰囲気が変わりましたわね。今までは影のように陰鬱でしたのに」

「あのように堂々とされているところは初めて見ますわ」

「黒色もこうしてみるととても美しいわね」

 女性たちは色めき立つ。

 私は思わずドヤ顔だ。

(やっと気がついたの? シオン様は美しいのよ!!)

 研究者たちは忌々しそうにヒソヒソと囁く。

「セレスタイト公爵家に婿入りしたという……」

「これ見よがしに空色の天青石など身につけ……。セレスタイト公爵家の力を笠に着てご登場か?」

「とはいえ、学会はそんなに甘くないと教えてやらねばなりませんな」

「たしかに、学門は身分に左右されるものではありません。実力がすべての厳しい世界だと知らしめなければ」

 そんな声を聞きつつも、私は余裕である。