天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「みんな、怪我にも対処できて素晴らしかった。薬の扱いもちゃんと覚えているな」

 シオン様がそう褒めると子供たちは満足げに胸を張る。

 私は体から力が抜け、ホッとため息を漏らした。

(さすがシオン様だわ……。経験させて学ばせる。私はどうしても心配が先になってしまうけど、こうやって失敗を体験させることも必要なのね)

 自身が怪我をすることで、他人の痛みも想像できる。危ないと言われる理由に想像が働くようになる。危ないからとなにもかもを取り上げていては育たない部分だ。

「怒ったり否定したりするのではなく、諭し導く……。やっぱりシオン様に任せてよかったわ」

 私が惚れ惚れとしてシオン様を見つめると、シオン様は気まずそうに咳払いした。

 そして、私が持っている書類に視線を向ける。

「その書類は?」

「あ! 先日出した論文が学会賞を受賞したようですわ。内容が素晴らしく学会発表をしてほしいとのことです」

 私はシオン様に書類を手渡す。