天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「ということで、改めて命じますわ。宮廷魔導師シオン・モーリオン様。私と結婚なさい」

「っ? は? 私が?」

「これは、セレスタイト公爵家からの命令です。あなたには拒否権がありません」

 悪女らしく横暴に言い渡す。

「酷いぞ! ルピナ! シオンは大切な宮廷魔導師だ」

「そうです! シオン様を返して!」

 ローレンスとエリカが私を責める。

 私は鼻であざ笑った。

 そうして、口笛を高らかに鳴らす。