天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「私は覚えさせなくちゃとばかり考えていて、そういう発想にはなりませんでした。シオン様はさすがですね!」

「いや、ルピナが毎晩読み聞かせをしていてくれたせいで、話を聞く姿勢や興味の種はできていた。だから、こんなに短期間で育ったんだ」

 シオン様は自主的に動く子供たちを見て目を細めている。

「ねー! シオン様! ここは? どうするの?」

「ルピナ様! イチャイチャしてないで、こっちを手伝ってよー!」

 子供たちから声がかかり私たちもそちらへ向かう。

 子供のひとりがノコギリを木材にあてようとしている。

「危ない! それは私がやるわ!」

 急いで子供からノコギリを取り上げようとして、シオン様に制される。

「自分でやることが大切だ」

「でも!」

「困ったときに手を貸す、それが見守りだ」

 シオン様に窘められ、私は口を噤んだ。