天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

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 それから、シオン様はドラゴンの治療に加え、魔塔で子供たちの教育と、妖精や魔獣たちの研究などを積極的におこなうようになった。

 誠実で優しいシオン様の姿に、子供たちも魔獣たちもすっかり懐いている。おかげで、魔獣や妖精についての研究も順調に進んでいるようだ。

 今日は魔塔の庭にフェンリルのための小屋を作るというので私も手伝いにやってきていた。

 小さな子供たちが庭に寝そべるフェンリルにメジャーを当て体長を図っている。年長の子供たちは数値を聞き、メモを取る。

 フェンリルは面倒くさそうな顔で欠伸をしつつも吠えたり怒ったりはしない。傷ついた状態でここへ来たときに比べると大きな違いだ。

(魔獣たちは人間が嫌いだから、子供と接触させるなんて考えもしなかったのに。さすがシオン様だわ。子供と魔獣が触れあえるほどにしてしまうだなんて!)

 私はシオン様の手腕に唸る。

「フェンリルの体長がわかったら、計算をしてみよう。タテは体長の2倍以上、ヨコは体長の1.5倍以上、高さは体高の2倍以上必要だ。さぁ、材料の長さはいくつだ?」

 シオン様が尋ねると、子供たちがハイハイと手を挙げる。