「それに引き換えシオン様は真面目で賢くて研究熱心で、少し自己犠牲が過ぎるところもあると思うけれど、それがシオン様の優しいところで――」
私がウットリとして語り始めると、男の子がワーワー言いながら言葉を打ち消すように大きく手を振った。
「わかった! わかったから! ルピナ様のシオン様自慢はもうごめん!」
うんざりするように言われ、私はハッとする。
シオン様は顔を真っ赤にしつつ、コホンとわざとらしく咳払いをした。どうやら恥ずかしいようだ。
「……と言うことで、みんなこれからはシオン先生の言うことをよく聞くのよ?」
私が諭すと、子供たちは「はーい!!」と元気いっぱいに答えた。



