天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「私がエリカを見いだしたわけではなく、あの子に才能があっただけだ」

「どんな才能も適切な指導がなければ芽吹きません」

 私が断言すると、シオン様はため息をつき肩をすくめる。

「ルピナが望むなら、やってみよう」

 シオン様の了解を得て私は立ち上がった。

「それでは早速、先生として紹介いたしましょう!」

 私はシオン様を連れて魔塔の二階へと降りていった。

 二階は孤児たちのあそび部屋で、子供たちが駆け回っている。

 私は部屋に入るとパンパンと両手を打ち鳴らした。

 ワラワラと子供たちが集まってくる。