「おめでとうございます!」 「お幸せに!」 「私もハネムーンに行ってみたいわ……」 「豪華寝台列車でふたりきりだなんてロマンチック」 歓迎ムードの歓声の中に、羨望の声が混じる。 思いもよらぬ出迎えに私は驚きのあまりよろめいた。そんな私をシオン様が後ろからそっと支える。 (ああん! シオン様、優しい……! じゃなくて!) 「な、なにごとです?」 私の後ろにそっと寄りそうシオン様を私は見上げた。 シオン様は苦笑いする。