天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「あの! 絶対! 絶対! 襲いませんから!! 心配しないでくださいね!」

 私は振り向きそう言うと、シオン様はクスクスと笑う。

「普通は、女性が襲われることを心配するのでは?」

 いたずらっぽく尋ねるシオン様に、私はキッパリと答える。

「紳士なシオン様がそんなことするはずがありませんから! 私は絶対安全なんです!」

 ムッフーと鼻から息を吐き答えると、シオン様は肩をすくめた。

「ずいぶん信頼されているんだな」

「はい! だって、シオン様ですから!」

 私が当たり前だと言わんばかりに胸を張ると、シオン様は困ったように苦笑いした。