天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「また、最後の夜はまた一緒のベッドになりそうだな」

 その穏やかな眼差しに私の心臓がキュッと音を立てる。

(今ならずっと聞きたかったことを聞けるかも……)

 意を決して、問いかける。

「あの、聞いてもいいですか?」

「なんだ?」

 シオン様の不思議そうな声が後ろから振ってくる。

「あの、あ、あの、最初の夜……私、シオン様を襲ってしまっていたのでありますか!?」

 一気に言い切って、恥ずかしさのあまり俯いた。

 すると、プッと噴き出すシオン様。