天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


(ちょっとニュアンスが違うんだけど……)

 間違っているかと問われるとそれも違う。あのふたりにシオン様の人生を振り回されたくなかった。

「意外とかわいいことをするのだな」

 シオン様はそう言うと納得したかのように微笑んだ。

「さあ、いつまでもそうしていないでリビングへ行こう」

 シオン様は機嫌良くそう言うとリビングへ向かっていく。

「あ、あの! シオン様! でも、なんで、知っていたのにこの旅行を受け入れてくれたんですか?」

 黒髪の流れる背中に問いかける。

「パレードで湧く王都にいたら、ルピナがゲスな噂の的になると思ったんだ。だったら、一緒に王都を離れる良いチャンスだと思ったのだが、迷惑だったか?」

 シオン様は振り向かず答える。