天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「……あ……、最低ですよね……、私。軽蔑してください……」

 俯きドアに背中を押し当てる。恥ずかしくて逃げ出したい気持ちでいっぱいだ。

「軽蔑などしない。ただ、なぜそんなことをしたのか気になるが」

 私は正直に打ち明けた。

「シオン様に、あのふたりのことを知られたくなかったんです……。世間の噂が耳に入ったら、魔塔を抜け出しどこかに行ってしまうんじゃないかと」

 ギュッと唇を噛む。

「そうか」

 シオン様の声になぜか笑いが含まれていて、私は恐る恐る顔を上げた。

「要するにあなたは、私をあのふたりに取られたくなかった……ということか?」

 尋ねられて、赤面する。