天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「あ、あの、登山列車を動かしてはくれまいか?」

 私は無言でオリバーを見る。

「その、か、貨物でいい! いや、動かさなくていい! 貨物室に一晩入れて」

 私は鷹揚に微笑む。

「いいえ。お帰りくださいまし。ログハウスも駅も、不法侵入された場合は、命の保証はできなくてよ?」

 そう答え、シオン様の背を押しログハウスに向かう。

「すまなかった。申し訳ない! 俺はローレンス王子殿下に頼まれて、だから……本心ではなく……そもそも、シオンが、そうだ、シオンが――」

 私はログハウスの玄関前でオリバーに振り返った。

「それでは、せいぜいお気をつけ遊ばせ!」

 そして、木のドアをバタリと閉めた。