(思ったより早い迎えね……。モーリオン男爵が住む町は王都よりここに近いと知っていたけれど、まさか兄弟がしゃしゃり出てくるとは思わなかったわ)
シオン様の生家モーリオン男爵は、田舎を治める侯爵家に代々使える家柄である。
結婚に諸手を挙げて賛成していたから、まさか、モーリオン男爵家から迎えが来るとは思わなかったのだ。原作でもモーリオン男爵家は、失踪したシオン様を捜索しなかったこともあり、油断していた。
「ローレンス王子殿下は、王都で開かれる新大聖女就任パレードにシオンの出席を――」
「あーあーあーあー!!」
私はとっさにシオン様の両耳を塞ぎ、オリバーの言葉を大声で遮る。
(ローレンス殿下はシオン様をそのパレードに参加させるつもりだったの? 無神経にも程がある!!)
私は怒り心頭だ。
「その件でしたらお断りしますわ。そもそも、シオン様はすでに宮廷魔導師ではありません。王家の行事に参加を強制されるいわれはありません!」
キッパリと私が断る。



