天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「すごいな。空気が澄んでいる」

「ええ。この山にドラゴンの治療に効果がある、銀竜草(ぎんりょうそう)という植物が生えているの。数日ユックリしてから、のんびり探して回りましょう」

「銀竜草……とは?」

「なんだか、キノコみたいな草なのよ。全体が真っ白で、半透明で。茎がドラゴンの鱗のようだから見ればわかると思うわ。しめった木陰に生えているんですって」

「よく知っているな」

 シオン様に言われ、ギクリとする。

 原作で登場したときに、その名前が印象的でモデルがないか調べたから覚えているのだ。私はユウレイダケという名で知っていた。キノコのような花のような植物だ。煎じて飲むと強壮に効くのだという。

「ええ、ケンタウレアから教えてもらったの」

 私の答えにシオン様は納得したのか、小さく頷く。

「そうだ! ログハウスは寝室がふたつあるんです。シオン様、好きなお部屋を選んでいいですよ!」

 私がそう言うと、シオン様は一瞬動きを止めた。