天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「あなたはホテルに宿泊するのか? なら、私もそちらへ宿泊してもかまわないのだろうか?」

「もちろんですわ! ホテルのほうはきちんと別部屋のご用意してあります! ご安心ください! 今夜は身の危険を感じずにユックリ眠れますよ!」

「いや、私は別に身の危険など感じていないが……」

「いえいえ、遠慮なさらず! 旅は長いのです。お互い無理をしないようにいたしましょう!」

 私が言うと、シオン様は小さくため息をついた。

「……わかった。なら、私は車内にとどまる」

 なぜか少し不機嫌そうに答える。

「? なにか気になる点でもありますか?」

「夕食はどうするつもりだ?」

「ご迷惑でなければ車内でご一緒できますか?」

「迷惑なわけないだろう」

 シオン様はつっけんどんに答えた。

「困ったことがあったら車掌に伝えてくださいね! シオン様を第一に優先するよう申しつけていますので」

「ああ。大丈夫だ」

 シオン様は苦笑いした。