天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

 街の中を散策し、私たちは駅へと戻った。

 シオン様は意外にもさまざまな種類の町の銘菓を買い込んだ。

(甘いものが好きなのかしら?)

 などと思っていると、シオン様に頼まれた。

「この菓子をスタッフに差し入れてやってはくれないか」

「では、今、届けに行きましょう! 駅舎で休憩中だと思いますわ」

 私の答えにシオン様はフルフルと頭を振る。

「私からだといえば、気味悪がって嫌がるだろう?」

 シオン様は少し淋しげに微笑む。

 私は否定できなかった。実際にその可能性はあるからだ。

「では、一緒に行って私が渡すところをごらんになるのはいかがでしょう?」

「そうだな」

 頷くシオン様を連れ、駅舎の休憩室へ向かった。