飴配りオババの様子を見て、町の人々は安心したのか、シオン様へ次々と声をかけてきた。
「良くもまぁ、ルピナ様と結婚してくださった」
「婚約破棄されたと聞いていたから心配してたんです。ありがたい、ありがたい」
シオン様を拝む老人。
「どうやってルピナ様を口説いたの?」
「あの人、恋愛音痴でしょ?」
冷やかすような女性たち。
「怖いもの知らずだな……」
「脅されたのか?」
気の毒そうな顔を向けたのは男性たちだ。
「もー! 今日は私のデートなんですからね! 邪魔をしないでいただける?」
私が怒鳴ると町の人々は蜘蛛の子を散らしたように逃げていく。



