「少し気の毒だな」
「は? 気の毒ではありません。シオン様に無礼を働いたのです。あれくらい当然です」
私が鼻息荒く答えると、シオン様は肩をすくめる。
「そういう意味ではないんだが。きっと彼は――」
シオン様が言いかけているところに、町の人々がワイワイと集まってきた。
「あんた、ルピナ様の旦那様かね」
ひとりの老婆に問われてシオン様は無言で頷く。
「そうかね、そうかね。ルピナ様の旦那様かね。じゃあ、飴ちゃんをあげようかね」
老婆は紙に包んだ飴をシオン様に差し出した。
シオン様は動揺して私を見る。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…