「あと10日! 一緒に頑張ろうな!」
颯くんが大きく手を振って、舞台の袖へと向かって行った。
私も反対側の袖に向かう。
シンデレラのボロ服に着替え、1年6組の合唱が終わるのをじっと待った。
「莉子ち、顔色悪いよ」
義理の姉役の結が私を覗き込む。
「緊張する……」
「だーいじょうぶだって! リハばっちりだったじゃん」
「そうだけど……」
そわそわしていたら、目の前に誰か来た。
顔を上げたら、メイサちゃんだった。
「なら、あたしと代わってよ」
「え……?」
「そんな弱気で、やる気もないなら……颯を返してよ」
「あんた、何言ってんの?」
結が唸るみたいに言った。
メイサちゃんは泣きそうな顔で私を睨んでいる。
だから私は、真っ直ぐにメイサちゃんを見つめた。
「返さないよ」
「……なんで」
「私も、颯くんのこと好きだから。誰にも譲らない」
「っ……、ムカつく。ぽっと出のくせに」
「嫌われてもいいよ。私だって、メイサちゃんのこと嫌いだから」
「……そっか。気が合うね」
メイサちゃんは少し悲しそうに笑って、袖から出ていった。
「何しにきたの?」
「さあ、なんだろうね」
本当のところはわからない。でも、背中を押しに来てくれたのかもしれない。
1年生がはけた。
私の出番だ。
颯くんが大きく手を振って、舞台の袖へと向かって行った。
私も反対側の袖に向かう。
シンデレラのボロ服に着替え、1年6組の合唱が終わるのをじっと待った。
「莉子ち、顔色悪いよ」
義理の姉役の結が私を覗き込む。
「緊張する……」
「だーいじょうぶだって! リハばっちりだったじゃん」
「そうだけど……」
そわそわしていたら、目の前に誰か来た。
顔を上げたら、メイサちゃんだった。
「なら、あたしと代わってよ」
「え……?」
「そんな弱気で、やる気もないなら……颯を返してよ」
「あんた、何言ってんの?」
結が唸るみたいに言った。
メイサちゃんは泣きそうな顔で私を睨んでいる。
だから私は、真っ直ぐにメイサちゃんを見つめた。
「返さないよ」
「……なんで」
「私も、颯くんのこと好きだから。誰にも譲らない」
「っ……、ムカつく。ぽっと出のくせに」
「嫌われてもいいよ。私だって、メイサちゃんのこと嫌いだから」
「……そっか。気が合うね」
メイサちゃんは少し悲しそうに笑って、袖から出ていった。
「何しにきたの?」
「さあ、なんだろうね」
本当のところはわからない。でも、背中を押しに来てくれたのかもしれない。
1年生がはけた。
私の出番だ。



