その日、私は突然婚約者に押し倒された。

今まで一度もそんなことはなかったのに。







「ゲームをしましょうか、紗名さん」







ソファの上、目の前の視界には婚約者しか見えない。

それほど近い距離。






「僕に赤くなった顔を見せたら負け。負けたら婚約は継続です」






頭の良い婚約者が仕掛けるには信じられないような馬鹿な勝負。






「制限時間は三十分。さぁ、始めましょうか」






どうしてこんなことになったの……?