翌朝、柚たちは再び港の倉庫に集まった。今日はドリューが主導するリスク管理会議の日だった。異文化交流プログラムで来日した彼は、安全管理に関する豊富な知識を持っていた。
「それじゃあ始めよう」ドリューは英語と日本語を交えながらスライドを表示した。
「ダイビングのリスクは三つ。潮流、機材トラブル、そして人の判断ミス。これらを一つずつ対策する必要があります」
湊斗が頷く。
「いいね。具体的に見ていこう」
スライドには安全ルートや緊急脱出地点が示されていた。カロリーナが手を挙げる。
「私たちのルート確認映像を見て。入口周辺は岩場が多いけど、潮の流れが緩む時間帯を選べば安全に入れる」
映像にはドローンで撮影した断崖の映像が映し出され、全員が真剣に見入った。
「次は機材トラブル対策です」ドリューは続けた。
「可奈子さん、器材の管理は?」
「リスト化済みです。予備部品も揃えてあります」
「素晴らしい。最後は判断ミスへの対策。これは訓練と役割分担で防ぎます」
湊斗はホワイトボードに名前を書き込み、全員に役割を割り振った。
「僕が全体指揮、千愛が潜水技術指導、航太が潮流データ管理、可奈子が物資管理、カロリーナとドリューが安全監視、柚はペンダントによる誘導だ」
柚は驚いたように顔を上げた。
「私が誘導役?」
「そうだ。ペンダントの反応は遺跡に関係している。君が一番適任だ」
柚は一瞬戸惑ったが、すぐに頷いた。
――逃げない。私がやるんだ。
役割分担が決まると、ドリューは次のスライドを示した。
「リスク管理のポイントは、常に二重三重の安全策を取ること。だから、緊急時の避難ルートも二種類用意しました」
映し出された地図には、入口から遺跡までのルートと、万一の時に浮上するための経路が別々に描かれていた。
「この二つ目のルート、私が確認するわ」カロリーナが言うと、ドリューは嬉しそうに頷いた。
「助かるよ。君のドローン技術は大きな武器だからね」
カロリーナはにやりと笑い、タブレットを軽く持ち上げた。
会議は続き、全員が真剣にメモを取り、質問を投げかけていた。特に航太は潮流データに関して何度も確認し、図面に印をつけていた。
「潮流は正確に覚えた……間違えない」
その言葉に千愛が微笑んだ。
「頼りにしてるよ」
最後にドリューは深呼吸をしてから言った。
「文化や言語が違っても、目的は同じ。この町を守りたいという気持ちだ。だから僕はこのチームで頑張りたい」
その言葉に拍手が起こり、倉庫の中に温かな空気が流れた。
会議終了後、柚は湊斗と外に出た。夏の日差しが強く、海が白く輝いている。
「……みんな、すごいね」柚が呟くと、湊斗は微笑んだ。
「そうだな。でも君がいるからこそ、みんなが一つにまとまってるんだ」
「え、私が?」
「ペンダントがあるからだけじゃない。君が諦めないから、みんなも前に進める」
その言葉に、柚は少し顔を赤らめた。
その後、柚は倉庫に戻りペンダントを手に取った。針は依然として灯台の方向を示し続けている。
――これは偶然じゃない。このペンダントは遺跡への導標だ。
そう思うと、心の奥から力が湧き上がってきた。
夕方、全員が再集合し、ドリューの提示した避難ルートの実地確認を行った。カロリーナがドローンを飛ばし、岩場の間を縫うように撮影する。映像には細かな岩の配置と、潮流の向きが鮮明に映し出されていた。
「これなら緊急時も安全に戻れるね」千愛が感心したように言った。
ドリューは微笑みながら頷いた。
「異文化が交わることで新しい視点が生まれる。それがチームの強みだよ」
夜、柚は自宅でペンダントを見つめながら、今日の出来事を振り返った。ドリューやカロリーナの異文化的な発想が、この町を守る鍵になっている。
――みんなが一緒なら、きっと封印は成功する。
そう強く思った瞬間、ペンダントが微かに震えた。
柚は窓の外の灯台を見つめ、静かに誓った。
「絶対に失敗しない。仲間と一緒にやり遂げる」
「それじゃあ始めよう」ドリューは英語と日本語を交えながらスライドを表示した。
「ダイビングのリスクは三つ。潮流、機材トラブル、そして人の判断ミス。これらを一つずつ対策する必要があります」
湊斗が頷く。
「いいね。具体的に見ていこう」
スライドには安全ルートや緊急脱出地点が示されていた。カロリーナが手を挙げる。
「私たちのルート確認映像を見て。入口周辺は岩場が多いけど、潮の流れが緩む時間帯を選べば安全に入れる」
映像にはドローンで撮影した断崖の映像が映し出され、全員が真剣に見入った。
「次は機材トラブル対策です」ドリューは続けた。
「可奈子さん、器材の管理は?」
「リスト化済みです。予備部品も揃えてあります」
「素晴らしい。最後は判断ミスへの対策。これは訓練と役割分担で防ぎます」
湊斗はホワイトボードに名前を書き込み、全員に役割を割り振った。
「僕が全体指揮、千愛が潜水技術指導、航太が潮流データ管理、可奈子が物資管理、カロリーナとドリューが安全監視、柚はペンダントによる誘導だ」
柚は驚いたように顔を上げた。
「私が誘導役?」
「そうだ。ペンダントの反応は遺跡に関係している。君が一番適任だ」
柚は一瞬戸惑ったが、すぐに頷いた。
――逃げない。私がやるんだ。
役割分担が決まると、ドリューは次のスライドを示した。
「リスク管理のポイントは、常に二重三重の安全策を取ること。だから、緊急時の避難ルートも二種類用意しました」
映し出された地図には、入口から遺跡までのルートと、万一の時に浮上するための経路が別々に描かれていた。
「この二つ目のルート、私が確認するわ」カロリーナが言うと、ドリューは嬉しそうに頷いた。
「助かるよ。君のドローン技術は大きな武器だからね」
カロリーナはにやりと笑い、タブレットを軽く持ち上げた。
会議は続き、全員が真剣にメモを取り、質問を投げかけていた。特に航太は潮流データに関して何度も確認し、図面に印をつけていた。
「潮流は正確に覚えた……間違えない」
その言葉に千愛が微笑んだ。
「頼りにしてるよ」
最後にドリューは深呼吸をしてから言った。
「文化や言語が違っても、目的は同じ。この町を守りたいという気持ちだ。だから僕はこのチームで頑張りたい」
その言葉に拍手が起こり、倉庫の中に温かな空気が流れた。
会議終了後、柚は湊斗と外に出た。夏の日差しが強く、海が白く輝いている。
「……みんな、すごいね」柚が呟くと、湊斗は微笑んだ。
「そうだな。でも君がいるからこそ、みんなが一つにまとまってるんだ」
「え、私が?」
「ペンダントがあるからだけじゃない。君が諦めないから、みんなも前に進める」
その言葉に、柚は少し顔を赤らめた。
その後、柚は倉庫に戻りペンダントを手に取った。針は依然として灯台の方向を示し続けている。
――これは偶然じゃない。このペンダントは遺跡への導標だ。
そう思うと、心の奥から力が湧き上がってきた。
夕方、全員が再集合し、ドリューの提示した避難ルートの実地確認を行った。カロリーナがドローンを飛ばし、岩場の間を縫うように撮影する。映像には細かな岩の配置と、潮流の向きが鮮明に映し出されていた。
「これなら緊急時も安全に戻れるね」千愛が感心したように言った。
ドリューは微笑みながら頷いた。
「異文化が交わることで新しい視点が生まれる。それがチームの強みだよ」
夜、柚は自宅でペンダントを見つめながら、今日の出来事を振り返った。ドリューやカロリーナの異文化的な発想が、この町を守る鍵になっている。
――みんなが一緒なら、きっと封印は成功する。
そう強く思った瞬間、ペンダントが微かに震えた。
柚は窓の外の灯台を見つめ、静かに誓った。
「絶対に失敗しない。仲間と一緒にやり遂げる」


