遺跡の最奥部には、まだ誰も触れたことのない小部屋があった。調律の泡で安定した空間の奥に、その部屋はぽつんと佇んでいた。扉には古代文字が刻まれている。
航太が近づき、そっと指でなぞった。
「これは……呪文の碑文だ。たぶん、装置を起動するための手順が書かれている」
柚は目を細めて碑文を見つめた。
「読めるの?」
航太は頷いたが、どこか緊張していた。
「滑舌が悪いから、こういう時にちゃんと読めるか不安で……でも、やるしかない」
湊斗が一歩前に出た。
「大丈夫だよ。みんなで支える」
航太は深呼吸し、碑文の前に立った。そして、慎重に言葉を紡ぎ始めた。
古代の響きを持つ呪文が水中に広がると、壁の文様がゆっくりと光り始めた。ドリューが驚いた声を上げる。
「反応している! やっぱりこれが起動キーだ!」
航太は途中で少し言葉を詰まらせたが、柚が横で碑文を指差し、声を合わせて支えた。
「もう少し、頑張って!」
航太は再び息を整え、最後まで呪文を唱え切った。
次の瞬間、床が震え、中央にある装置の制御盤が静かに起動した。
起動した制御盤は淡い光を放ちながらゆっくりと開いた。内部には複雑な水晶管と金属製のダイヤルが組み込まれており、中央には掌を置くための窪みがあった。
柚がその窪みに手を伸ばそうとすると、航太が首を振った。
「待って。これは最後の確認だ。碑文には“正しき声と正しき心を持つ者が触れよ”って書かれてた」
湊斗が眉を寄せた。
「正しき心……つまり、誰でもいいわけじゃないってことか」
ドリューが前に出て言った。
「ここまで来たのはチーム全員だ。なら、みんなで触れよう」
その提案に全員が頷き、手を重ねて窪みに置いた。
すると制御盤が反応し、内部から温かな光があふれた。機械的な音とともにダイヤルが回転し、遺跡全体に低い振動が伝わる。
カロリーナが感嘆の声を上げた。
「これが本当の起動……すごい」
光はやがて穏やかに落ち着き、制御盤の表示は安定した緑色を示した。航太は安堵の息をつき、笑った。
「成功だ。呪文も、みんなの心もちゃんと伝わった」
柚も笑顔で頷く。
「これで準備は整ったね。後は……」
湊斗が視線を前方に向け、力強く言った。
「暴走を完全に止めるだけだ」
航太が近づき、そっと指でなぞった。
「これは……呪文の碑文だ。たぶん、装置を起動するための手順が書かれている」
柚は目を細めて碑文を見つめた。
「読めるの?」
航太は頷いたが、どこか緊張していた。
「滑舌が悪いから、こういう時にちゃんと読めるか不安で……でも、やるしかない」
湊斗が一歩前に出た。
「大丈夫だよ。みんなで支える」
航太は深呼吸し、碑文の前に立った。そして、慎重に言葉を紡ぎ始めた。
古代の響きを持つ呪文が水中に広がると、壁の文様がゆっくりと光り始めた。ドリューが驚いた声を上げる。
「反応している! やっぱりこれが起動キーだ!」
航太は途中で少し言葉を詰まらせたが、柚が横で碑文を指差し、声を合わせて支えた。
「もう少し、頑張って!」
航太は再び息を整え、最後まで呪文を唱え切った。
次の瞬間、床が震え、中央にある装置の制御盤が静かに起動した。
起動した制御盤は淡い光を放ちながらゆっくりと開いた。内部には複雑な水晶管と金属製のダイヤルが組み込まれており、中央には掌を置くための窪みがあった。
柚がその窪みに手を伸ばそうとすると、航太が首を振った。
「待って。これは最後の確認だ。碑文には“正しき声と正しき心を持つ者が触れよ”って書かれてた」
湊斗が眉を寄せた。
「正しき心……つまり、誰でもいいわけじゃないってことか」
ドリューが前に出て言った。
「ここまで来たのはチーム全員だ。なら、みんなで触れよう」
その提案に全員が頷き、手を重ねて窪みに置いた。
すると制御盤が反応し、内部から温かな光があふれた。機械的な音とともにダイヤルが回転し、遺跡全体に低い振動が伝わる。
カロリーナが感嘆の声を上げた。
「これが本当の起動……すごい」
光はやがて穏やかに落ち着き、制御盤の表示は安定した緑色を示した。航太は安堵の息をつき、笑った。
「成功だ。呪文も、みんなの心もちゃんと伝わった」
柚も笑顔で頷く。
「これで準備は整ったね。後は……」
湊斗が視線を前方に向け、力強く言った。
「暴走を完全に止めるだけだ」


