新しいルートを通って進む海中は、以前よりも視界が開けていた。嵐で海底の砂が舞い上がった跡はあるものの、遺跡周辺の構造は大きな損傷を受けていない。
柚たちは慎重に進みながらも、心のどこかでほっとしていた。
「これなら奥まで安全に行ける」航太がハンドサインで伝えると、ドリューも親指を立てて返した。
やがて彼らは、前回たどり着いた石扉の前に立った。そこには亀裂が広がり、以前よりも崩れやすい状態になっている。
「このままじゃ、遺跡全体が不安定になるかもしれない」千愛が心配そうに言った。
「でも、この扉の向こうにしか真実はない」カロリーナが鋭い視線を向ける。
柚はペンダントを握りしめ、深呼吸した。
――決断の時だ。
湊斗がチーム全員を見回す。
「危険を承知で開けるか、それとも封印を優先して立ち去るか。どっちにする?」
少しの沈黙の後、柚が言った。
「開けよう。私たちは確かめるためにここに来たんだもの」
その言葉に、全員が頷いた。
カロリーナが工具を取り出し、扉の亀裂部分を確認した。
「この綻びを広げれば、人が通れるだけの隙間を作れるわ。ただし、一度やったら後戻りはできない」
湊斗は全員を見渡し、もう一度確認した。
「本当にいいんだな?」
柚は力強く頷いた。
「ここまで来て立ち止まったら、きっと後悔する」
カロリーナは作業を開始した。慎重に爆薬をセットし、安全な距離を取って合図を送る。
――ゴンッという鈍い音と共に扉がわずかに動き、長年閉ざされていた空気が流れ出した。
舞い上がる砂と泡の向こうに、闇が広がっている。
「行こう」柚が前に出た。
千愛が続き、カロリーナ、航太、ドリューも後に続く。湊斗は最後尾で全員を見守った。
通路の奥には、青白く光る模様が壁一面に描かれていた。それはまるで星図のようで、柚のペンダントが反応して淡く光を放つ。
「これって……」航太が驚きの声を漏らす。
柚はペンダントを見下ろし、胸が高鳴るのを感じた。
――おばあちゃん、ここが本当の秘密だったんだね。
通路を進むと、巨大な球体が中央に浮かぶ部屋に出た。それは水中にあるにもかかわらず、不思議な力で静止していた。
「……これが遺跡の心臓部?」千愛が小声でつぶやく。
柚はペンダントを握りしめ、球体に近づいた。ペンダントと球体が共鳴するように光を放つ。
すると、球体の表面に映像が現れた。百年前の灯台守が映し出され、静かに語りかけてくる。
『この遺跡は潮を司る装置。放置すればいずれ暴走し、海を飲み込むだろう……』
湊斗が驚きに息をのむ。
「やっぱり封印し直さなきゃ……」
映像は続いた。
『だが、完全に封印するには“調律の泡”を起動し、心を一つにする必要がある』
柚は振り返り、仲間たちを見た。
「一緒にやろう」
全員が頷き、球体に手を触れた瞬間、眩しい光が部屋全体を満たした。
――心が一つになる感覚。仲間の思いが自分に流れ込み、自分の思いも仲間に届いていく。
光が収まると、球体は静かに沈黙した。装置は完全に停止したのだ。
柚は深く息をつき、微笑んだ。
「これで終わりだね」
柚たちは慎重に進みながらも、心のどこかでほっとしていた。
「これなら奥まで安全に行ける」航太がハンドサインで伝えると、ドリューも親指を立てて返した。
やがて彼らは、前回たどり着いた石扉の前に立った。そこには亀裂が広がり、以前よりも崩れやすい状態になっている。
「このままじゃ、遺跡全体が不安定になるかもしれない」千愛が心配そうに言った。
「でも、この扉の向こうにしか真実はない」カロリーナが鋭い視線を向ける。
柚はペンダントを握りしめ、深呼吸した。
――決断の時だ。
湊斗がチーム全員を見回す。
「危険を承知で開けるか、それとも封印を優先して立ち去るか。どっちにする?」
少しの沈黙の後、柚が言った。
「開けよう。私たちは確かめるためにここに来たんだもの」
その言葉に、全員が頷いた。
カロリーナが工具を取り出し、扉の亀裂部分を確認した。
「この綻びを広げれば、人が通れるだけの隙間を作れるわ。ただし、一度やったら後戻りはできない」
湊斗は全員を見渡し、もう一度確認した。
「本当にいいんだな?」
柚は力強く頷いた。
「ここまで来て立ち止まったら、きっと後悔する」
カロリーナは作業を開始した。慎重に爆薬をセットし、安全な距離を取って合図を送る。
――ゴンッという鈍い音と共に扉がわずかに動き、長年閉ざされていた空気が流れ出した。
舞い上がる砂と泡の向こうに、闇が広がっている。
「行こう」柚が前に出た。
千愛が続き、カロリーナ、航太、ドリューも後に続く。湊斗は最後尾で全員を見守った。
通路の奥には、青白く光る模様が壁一面に描かれていた。それはまるで星図のようで、柚のペンダントが反応して淡く光を放つ。
「これって……」航太が驚きの声を漏らす。
柚はペンダントを見下ろし、胸が高鳴るのを感じた。
――おばあちゃん、ここが本当の秘密だったんだね。
通路を進むと、巨大な球体が中央に浮かぶ部屋に出た。それは水中にあるにもかかわらず、不思議な力で静止していた。
「……これが遺跡の心臓部?」千愛が小声でつぶやく。
柚はペンダントを握りしめ、球体に近づいた。ペンダントと球体が共鳴するように光を放つ。
すると、球体の表面に映像が現れた。百年前の灯台守が映し出され、静かに語りかけてくる。
『この遺跡は潮を司る装置。放置すればいずれ暴走し、海を飲み込むだろう……』
湊斗が驚きに息をのむ。
「やっぱり封印し直さなきゃ……」
映像は続いた。
『だが、完全に封印するには“調律の泡”を起動し、心を一つにする必要がある』
柚は振り返り、仲間たちを見た。
「一緒にやろう」
全員が頷き、球体に手を触れた瞬間、眩しい光が部屋全体を満たした。
――心が一つになる感覚。仲間の思いが自分に流れ込み、自分の思いも仲間に届いていく。
光が収まると、球体は静かに沈黙した。装置は完全に停止したのだ。
柚は深く息をつき、微笑んだ。
「これで終わりだね」


