潜水技術が十分に仕上がった翌日、湊斗は町議会に出向いた。目的は、遺跡調査と封印作業への全面的な協力を取り付けることだ。町を守るためには、行政の理解と支援が欠かせない。
議会室に通された湊斗は深呼吸を一つし、用意してきた資料を広げた。
「皆さん、時間をいただきありがとうございます。私たちは灯台下の海底遺跡《暁の導標》に潜航し、封印を施す計画を立てています」
議員たちの間にざわめきが走った。
「封印? そんなことが本当にできるのかね」
年配の議員の声に、湊斗は一歩前に出て堂々と答えた。
「はい。百年前に施された封印の方法を記した資料を入手しました。そして私たちには訓練を積んだ潜水チームがあります」
湊斗はこれまでの経緯を丁寧に説明した。柚のペンダントが示した遺跡の位置、灯台地下の資料庫で見つけた封印手順、そして調律の泡の存在。
議員たちの表情は次第に変わり、真剣なものになっていった。
その場に同席していた貴史が、静かだが力強い声で付け加えた。
「皆さん、もし封印が破られれば、この町は大渦に飲み込まれます。私たちには時間がありません。どうか協力を」
数秒の沈黙のあと、議長が口を開いた。
「町として全面協力しよう。港や器材の使用許可も出す」
湊斗は深く頭を下げた。
「ありがとうございます!」
町議会での了承を得たことで、港や器材だけでなく、町の広報機関も動き出した。港湾局からは潜航用の補助艇が提供され、町内会は食事や宿泊のサポートを約束した。
倉庫に戻った湊斗は仲間たちに報告した。
「町が全面協力してくれることになった。これで準備に集中できる」
「やった!」柚が思わず声を上げた。
可奈子も嬉しそうに笑い、手にしていた器材リストを掲げた。
「追加の酸素ボンベと予備バッテリー、全部手配できるよ」
千愛は資料をまとめながら真剣な声で言った。
「でも、サポートが増えると責任も大きくなる。私たちが失敗したら町の人たちを巻き込んでしまう」
その言葉に場の空気が一瞬引き締まる。だが貴史が穏やかな声で和らげた。
「だからこそ、僕らは全力で挑むんだ。失敗を恐れるよりも、成功を信じよう」
その夜、町の広場では住民説明会が開かれた。大勢の町民が集まり、湊斗と柚が前に立った。
「今回の封印作業は、町を守るために不可欠です。私たちは必ずやり遂げます」
柚は少し緊張しながらも、まっすぐに住民たちを見て言った。
「私、この町が大好きです。だから絶対に守ります!」
会場には拍手が広がり、不安げだった表情が次第に希望に変わっていった。
説明会が終わるころには、町全体の空気がひとつにまとまっていた。
説明会を終えた後、柚たちは倉庫に戻った。広場での拍手の余韻がまだ耳に残っている。
「すごいね……町のみんなが本気で応援してくれてる」柚が感慨深く呟いた。
湊斗は軽く笑みを浮かべた。
「それだけ、この町を守りたい気持ちはみんな同じってことだ」
貴史が資料を机に広げ、確認しながら言った。
「港の使用許可は明日から出るそうだ。潜航準備は予定通り進められる」
可奈子が頷き、手帳に書き込む。
「器材の搬入も町の人が手伝ってくれるって。頼まれたら断れない性格が役に立っちゃった」
その言葉に笑いが起こり、緊張気味だった空気が和らいだ。
千愛は真剣な表情でホワイトボードにスケジュールを書き加えた。
「いよいよだね。明日からは潜航シミュレーションを本番ペースで行う」
ドリューが小さく拳を握る。
「文化は違っても、目的は同じ。この町を守る……全員で成功させよう」
柚はペンダントを胸に当て、静かに誓った。
――おばあちゃん、みんなが一つになってるよ。私は絶対に諦めない。
外に出ると夜空には無数の星が輝いていた。港から吹く潮風は冷たくも心地よく、柚はその風を胸いっぱいに吸い込み、明日に向けて気持ちを新たにした。
議会室に通された湊斗は深呼吸を一つし、用意してきた資料を広げた。
「皆さん、時間をいただきありがとうございます。私たちは灯台下の海底遺跡《暁の導標》に潜航し、封印を施す計画を立てています」
議員たちの間にざわめきが走った。
「封印? そんなことが本当にできるのかね」
年配の議員の声に、湊斗は一歩前に出て堂々と答えた。
「はい。百年前に施された封印の方法を記した資料を入手しました。そして私たちには訓練を積んだ潜水チームがあります」
湊斗はこれまでの経緯を丁寧に説明した。柚のペンダントが示した遺跡の位置、灯台地下の資料庫で見つけた封印手順、そして調律の泡の存在。
議員たちの表情は次第に変わり、真剣なものになっていった。
その場に同席していた貴史が、静かだが力強い声で付け加えた。
「皆さん、もし封印が破られれば、この町は大渦に飲み込まれます。私たちには時間がありません。どうか協力を」
数秒の沈黙のあと、議長が口を開いた。
「町として全面協力しよう。港や器材の使用許可も出す」
湊斗は深く頭を下げた。
「ありがとうございます!」
町議会での了承を得たことで、港や器材だけでなく、町の広報機関も動き出した。港湾局からは潜航用の補助艇が提供され、町内会は食事や宿泊のサポートを約束した。
倉庫に戻った湊斗は仲間たちに報告した。
「町が全面協力してくれることになった。これで準備に集中できる」
「やった!」柚が思わず声を上げた。
可奈子も嬉しそうに笑い、手にしていた器材リストを掲げた。
「追加の酸素ボンベと予備バッテリー、全部手配できるよ」
千愛は資料をまとめながら真剣な声で言った。
「でも、サポートが増えると責任も大きくなる。私たちが失敗したら町の人たちを巻き込んでしまう」
その言葉に場の空気が一瞬引き締まる。だが貴史が穏やかな声で和らげた。
「だからこそ、僕らは全力で挑むんだ。失敗を恐れるよりも、成功を信じよう」
その夜、町の広場では住民説明会が開かれた。大勢の町民が集まり、湊斗と柚が前に立った。
「今回の封印作業は、町を守るために不可欠です。私たちは必ずやり遂げます」
柚は少し緊張しながらも、まっすぐに住民たちを見て言った。
「私、この町が大好きです。だから絶対に守ります!」
会場には拍手が広がり、不安げだった表情が次第に希望に変わっていった。
説明会が終わるころには、町全体の空気がひとつにまとまっていた。
説明会を終えた後、柚たちは倉庫に戻った。広場での拍手の余韻がまだ耳に残っている。
「すごいね……町のみんなが本気で応援してくれてる」柚が感慨深く呟いた。
湊斗は軽く笑みを浮かべた。
「それだけ、この町を守りたい気持ちはみんな同じってことだ」
貴史が資料を机に広げ、確認しながら言った。
「港の使用許可は明日から出るそうだ。潜航準備は予定通り進められる」
可奈子が頷き、手帳に書き込む。
「器材の搬入も町の人が手伝ってくれるって。頼まれたら断れない性格が役に立っちゃった」
その言葉に笑いが起こり、緊張気味だった空気が和らいだ。
千愛は真剣な表情でホワイトボードにスケジュールを書き加えた。
「いよいよだね。明日からは潜航シミュレーションを本番ペースで行う」
ドリューが小さく拳を握る。
「文化は違っても、目的は同じ。この町を守る……全員で成功させよう」
柚はペンダントを胸に当て、静かに誓った。
――おばあちゃん、みんなが一つになってるよ。私は絶対に諦めない。
外に出ると夜空には無数の星が輝いていた。港から吹く潮風は冷たくも心地よく、柚はその風を胸いっぱいに吸い込み、明日に向けて気持ちを新たにした。


