真夏のアーケード街。午後二時を回ってもアスファルトからの熱気が消えず、通りを歩く人々の額には汗が光っていた。
「よし、ここで一気に署名を集めよう!」稜がギターを背負って宣言する。
「え? まさかそれでライブする気?」凪桜が慌てて制止する。
「音楽の力は偉大なんだよ!」と稜は笑い、歩道の真ん中でギターをかき鳴らし始めた。
アップテンポの曲に合わせて、即興で海の安全を訴える歌詞を叫ぶ。その勢いに足を止める人もいたが、商店街の店主たちは顔をしかめる。
「こら! 勝手にやっちゃ困る!」八百屋の店主が飛び出してきた。看板を持ち上げかけた瞬間、脚立がぐらりと揺れた。
「危ない!」
咄嗟に凪桜が腕輪に触れた。次の瞬間、突風が吹き抜け、倒れかけた看板を反対側へ押し戻した。店主は無事だったが、通行人の視線が一斉に凪桜に集まる。
稜は演奏を止め、しゅんと肩を落とした。「……ごめん。俺、勢いでやっちゃった」
「気持ちはわかるけど、ルールは守らないとね」玲菜が冷静に言う。
「うん……俺、ちゃんと考えるよ」稜は深く頭を下げた。
その後、五人はアーケード街の組合に正式に許可を取り、署名活動を再開した。大河が人々に丁寧に説明し、梨奈がわかりやすい資料を配ると、次第に協力者が増えていった。
夕暮れ、稜が小声でつぶやく。「今日、守ってくれてありがとう、凪桜」
凪桜は微笑んだ。「お互い様だよ。これからは一緒に、ちゃんとやろう」
腕輪は静かに光り、吹き抜ける風が二人の間を優しく通り抜けた。
「よし、ここで一気に署名を集めよう!」稜がギターを背負って宣言する。
「え? まさかそれでライブする気?」凪桜が慌てて制止する。
「音楽の力は偉大なんだよ!」と稜は笑い、歩道の真ん中でギターをかき鳴らし始めた。
アップテンポの曲に合わせて、即興で海の安全を訴える歌詞を叫ぶ。その勢いに足を止める人もいたが、商店街の店主たちは顔をしかめる。
「こら! 勝手にやっちゃ困る!」八百屋の店主が飛び出してきた。看板を持ち上げかけた瞬間、脚立がぐらりと揺れた。
「危ない!」
咄嗟に凪桜が腕輪に触れた。次の瞬間、突風が吹き抜け、倒れかけた看板を反対側へ押し戻した。店主は無事だったが、通行人の視線が一斉に凪桜に集まる。
稜は演奏を止め、しゅんと肩を落とした。「……ごめん。俺、勢いでやっちゃった」
「気持ちはわかるけど、ルールは守らないとね」玲菜が冷静に言う。
「うん……俺、ちゃんと考えるよ」稜は深く頭を下げた。
その後、五人はアーケード街の組合に正式に許可を取り、署名活動を再開した。大河が人々に丁寧に説明し、梨奈がわかりやすい資料を配ると、次第に協力者が増えていった。
夕暮れ、稜が小声でつぶやく。「今日、守ってくれてありがとう、凪桜」
凪桜は微笑んだ。「お互い様だよ。これからは一緒に、ちゃんとやろう」
腕輪は静かに光り、吹き抜ける風が二人の間を優しく通り抜けた。



