八月七日、旧灯台が町の博物館として生まれ変わる日が来た。改修を終えた灯台の白い壁は朝日に照らされ、以前の廃れた姿とは別物のように輝いていた。
町長がテープカットを行い、町民の拍手が響く。その中心で、凪桜は腕輪を両手に抱えていた。
「これは……もう私だけのものじゃない」
そう言って、展示ケースの中に潮騒の腕輪をそっと置く。
「ありがとう、汐里」凪桜が小さくつぶやくと、優しい潮風が吹き抜けた。まるで少女が微笑み返したかのように。
大河が横に立ち、静かに言う。「これからは腕輪がなくても、君は君だよ」
凪桜は笑って頷いた。「うん、これからは自分の足で守っていく」
亮佑は新しい地質監視システムを披露し、梨奈は観光案内の資料を手に説明をしていた。稜はギターで灯台記念ソングを弾き、玲菜は子どもたちに防災クイズを出している。
仲間たちも、それぞれの道を歩き出していた。
凪桜は灯台を振り返り、深呼吸した。百年前の少女の想いを受け継いだこの場所が、これからも町を見守り続ける——そう感じられた。
「さあ、次は未来だ」
その言葉に、大河が頷き、皆が笑顔になった。
潮風が吹き抜ける中、凪桜の心は不思議なほど穏やかだった。もう力を借りるだけの自分ではない。歩む自分になれたのだ。
町長がテープカットを行い、町民の拍手が響く。その中心で、凪桜は腕輪を両手に抱えていた。
「これは……もう私だけのものじゃない」
そう言って、展示ケースの中に潮騒の腕輪をそっと置く。
「ありがとう、汐里」凪桜が小さくつぶやくと、優しい潮風が吹き抜けた。まるで少女が微笑み返したかのように。
大河が横に立ち、静かに言う。「これからは腕輪がなくても、君は君だよ」
凪桜は笑って頷いた。「うん、これからは自分の足で守っていく」
亮佑は新しい地質監視システムを披露し、梨奈は観光案内の資料を手に説明をしていた。稜はギターで灯台記念ソングを弾き、玲菜は子どもたちに防災クイズを出している。
仲間たちも、それぞれの道を歩き出していた。
凪桜は灯台を振り返り、深呼吸した。百年前の少女の想いを受け継いだこの場所が、これからも町を見守り続ける——そう感じられた。
「さあ、次は未来だ」
その言葉に、大河が頷き、皆が笑顔になった。
潮風が吹き抜ける中、凪桜の心は不思議なほど穏やかだった。もう力を借りるだけの自分ではない。歩む自分になれたのだ。


