冷たいはずの王子様は少女にある勝負を仕掛け、甘い溺愛を注ぐ。

私はその行動を止めもせずに、ただ平然と受け止めた。


「止めなくて良いのか?」


「お(たわむ)れはおやめ下さい」


「そんな強がっただけの嘘の制止は聞きたくない。本当のお前を見せろ」


本当の自分?

昼間の私だって、別に嘘の自分であるわけじゃない。

上手く言葉に出来ないけれど、こっちの私も本当の私というか……夜の弱さをさらけ出せる時間があれば、気の強い私も苦じゃなかった。

私はもう一度、蒼河様と目を合わせて、はっきりと言い放つ。





「お戯れはおやめ下さい」





その瞬間、私の視界に映るものが蒼河様から天井に変わった。

近くにあったソファに押し倒されたのだと理解する。