冷たいはずの王子様は少女にある勝負を仕掛け、甘い溺愛を注ぐ。

「勝負を始め、メイドと話していくうちにさらにそのメイドに惹かれていくのが分かった。夜に広葉を見た時、抱きしめてあげたいと心から思った」

蒼河様はもう「メイド」と言わずに、「広葉」と私の名前で話を続けていく。






「そして夜に広葉を見た時、広葉の弱点も分かった。広葉が何を一番怖がっているのかも。だってお前と俺は似ているから。そろそろ俺はこの勝負を終わらせようと思う」






蒼河様が私に箱を渡す。







「広葉。お前の弱点は……『弱音を吐くこと』」







ぽろっと私の目から涙が溢れたのがわかった。







「俺はこの勝負を終わらせる。広葉、お前の弱音を見せてほしい」







涙が止まらない。

嗚咽で言葉が上手く出ないのに、言葉は勝手に漏れ出していく。