冷たいはずの王子様は少女にある勝負を仕掛け、甘い溺愛を注ぐ。

次の日、私は蒼河様の自室に呼び出された。

「蒼河様、何か御用ですか?」

蒼河様の後ろの窓からはオレンジ色の夕陽が見えている。

もうすぐ日が沈んでしまうので、私の気持ちには少しだけ焦りがあった。


「蒼河様?」


私の呼びかけに蒼河様が私に近づいくる。

あと二歩近づけば私にぶつかってしまうような距離。



「広葉、少しだけ俺の話を聞いてくれるか?」



その真剣な問いに私は頷くことしか出来なかった。

蒼河様の言葉を聞き逃さないように、蒼河様の表情を見逃さないように、ただ見つめることしか出来なかった。