冷たいはずの王子様は少女にある勝負を仕掛け、甘い溺愛を注ぐ。

その時、パーティー会場の歓声がより一層大きくなった。

主催者が会場に入ったのかもしれない。


「そろそろ戻らないとな」


蒼河様が私を解放したが、私は身体をぐるっと反対に向けて今度は私が蒼河様を両腕で囲うように手すりに手をついた。





「最後に教えて下さい。冷たい蒼河様も優しい蒼河様も、どちらも本性ですか?」




「俺は信用している人間には優しくする。それだけだ」





それは冷たく接する人間は信用していないということだろう。





「私は蒼河様に信頼されているのですか?」




「俺の弱点を当てられれば、それも分かるかもな」





この勝負は、相手の弱点を暴くもの。

相手の弱さを暴くもの。

それは相手の見せたくない部分を見るということだ。

蒼河様が私の腕をどかして、パーティー会場に戻っていく。

私はしばらくそこから動くことが出来なかった。