冷たいはずの王子様は少女にある勝負を仕掛け、甘い溺愛を注ぐ。

パーティー当日。

鏡の前で私は自分の姿をまじまじと見つめていた。

「これが私……」

そんなドラマでよく聞くようなセリフを呟いてしまう。

真っ黒なドレスは大人っぽいが可愛いとも言えるデザインで、黒のドレスが()えるように私の髪は後ろでお洒落なお団子になっている。

髪飾りも銀色の蝶々で統一されていた。

「広葉、準備出来たか?」

蒼河様の声で一瞬驚いて身体が震えたが、すぐにいつもの自分に戻る。

「準備は終わりました。入って頂いても大丈夫です」

私の声を聞いてすぐに蒼河様が私のドレス姿を確認する。



「ちゃんと可愛いな」



私はそんな蒼河様の言葉に頬を赤らめることもなく、マナー教師が褒めるような角度で一礼をした。