冷たいはずの王子様は少女にある勝負を仕掛け、甘い溺愛を注ぐ。

「……黒色のドレスが着てみたいです。大人っぽいドレス。昔、絵本で見たレースのついた黒色のドレスに憧れがあって……」

なんでこんな幼い子供みたいなことを蒼河様に明かしているんだろう。

でも、こぼれ落ちてしまった言葉を言わなかったことには出来なかった。

蒼河様は私のドレスの要望を笑いもせずに、真剣にドレスの形やレースのイメージなどを聞いてくれる。



「笑わないんですか……?」


「そんな可愛い憧れを笑うやつなんていないだろう」



蒼河様は私からドレスの要望を聞き終わると、私が渡した水を手にとって立ち上がった。