冷たいはずの王子様は少女にある勝負を仕掛け、甘い溺愛を注ぐ。

「はっ、広葉は可愛いな」

蒼河様がまた私の視線に合わせるように、その場にしゃがんだ。


「じゃあ、お水をくれるか? メイド様?」


わざとからかうように、わざと私に仕事を与えて気を逸らさせるように、蒼河様はそう言うのだ。

お水を用意しながら、私は蒼河様にある質問をした。

「そういえば先程私の自室に来た時にパーティーのことで伝えたいことがあるとおっしゃっていましたが、何の用事だったのですか?」

「ああ、広葉のドレスを買う前にお前の好みを聞いておきたくて」

「私に合わせたドレスを下さるんですか……?」

「ドレスを着ずにパーティーには行けないだろう」

それはそうかもしれないが、まさか私に合わせて新しいドレスを買うとは思わなかった。